午前10:30- 実田
元々公園だった実田仮設の敷地は、はらはらと黄色い落ち葉が舞い散る秋模様。早速、談話室へお邪魔します‥と中に入ったら、中学生くらいの男の子がカードバトルの最中。
「今日、何かあるんすか」
「あるのよ」
「じゃ、出ます」
素直にみんな外へ出てくれましたが、ふと見ると仮設の部屋には帰らずに通路で遊んでいるではありませんか。そこで近づいて行って
「良かったらうちの犬におやつあげて」
と話しかけてみました。犬が好きだったようで、タンタンのところへすっ飛んでいきましたよ。何だか震災当時を思い出しました。あの頃はタンタンいませんでしたが、よく避難所の近くの公園で時間をつぶしていたら近所の子供が寄ってきて、楽しく話をしたり作ってあげたアートバルーンを踏みつぶされたものです。さて、時間になり、サロン参加者の皆さんが三々五々集まってきました。今日は磯鶏地区のお祭りがあり、半分くらいの方はお休みだとのことです。
「紅葉」「旅愁」「たき火」「里の秋」「赤とんぼ」「ちいさい秋見つけた」などの季節の歌を皆さんと一緒に歌ったあとは、昔の稲刈りの映像を見て、皆さんの思い出話を聞きました。
「いなごは体育の時間のつかまえて、袋に二、三日ほど入れておいたわね」
「そうして糞を出させないと美味しく食べられないのよね」
などの凄いお話も飛び出たところで、皆さんに次回予告を。実は社協さんのスケジュールの都合で、2月まで皆さんとはお会いできないのでした。寂しい。
午後13:30- 児童相談所
実は、児童相談所隣接仮設へお邪魔するのはこの日が最後でした。急に、この仮設の解体が決まったのです。午前中にうかがった実田にも、さっそく児童相談所仮設から集約された住人の方がいました。サロンにいらした皆さんも、寝耳に水だったようで
「聞いてびっくりしましたよ、ずっとこの談話室は使えると思っていたのに」
とおっしゃっていました。知らされたのはつい最近だったそうです。サロンに参加してくださった方々は我々のイベント以外では、頻繁にクラフト細工でかごを編むなどのサークルを頑張っていた方々なので、集まる場所が無くなると次にどうするか急いで決めないといけないのですね。
この他にはないおしゃれな内装も、もう見納めです。
既にお亡くなりになった懐かしい方の写真も壁に飾ってあります。
思い出がいっぱい詰まったこの談話室、私以上に皆さんにはつらい別れなのでしょう。Fさんのひ孫ちゃんも半分以上ここで育てられたようなものですからね。きっと大きくなってから思い出して、懐かしんでくれるのではないでしょうか。仮設住宅での六年間は、仮の住まいでしたが本当に楽しい出来事もたくさんあったのだと思います。
映画を見たあと、最後に一緒に写真をとりました。
どうぞ皆さん、いつまでもお元気で!!さようなら!!またどこかでお会いしましょう。
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