大槌町「安渡第二」「吉里吉里第四」「小槌第八」2019/7/15

午前10:30- 安渡第二

毎月高齢の一泊二日「大槌―宮古」巡回ですが、いつもなら土曜日の大槌町から始まるところを今回は月曜祝日へと後回しいたしました。大槌町内の民宿をゆっくりと出て、のんびりと安渡へと向かうスローライフな朝の始まり‥。

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2012年から安渡仮設にお邪魔して毎月欠かさず皆さんとお会いしているのですが、この日はちょっと昔を振り返りましょう!ということで過去に我々が撮影した画像をプロジェクターで映して皆さんにご覧頂きました。つい被災地での回想法では「津波前」というくくりで2011年以前のことを取り上げがちですが、2011年から2019年の間のくくりも立派な回想法の対象だと個人的には思っています。辛く苦しい、悲しくて腹立たしい‥という負の記憶だけではなく、きっと楽しくて面白い、嬉しくて笑える!という記憶もたくさんあるはずだ!という信念のもと、活動記録写真集を編纂した経緯もあるほど、私は仮設時代というものを肯定的にとらえている方の多さを実感しております。

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そんな仮設時代を一緒に通り抜けた仲間と言える参加者の皆さんのうち、ぽつりぽつりと顔を見せなくなり、音信不通の状態だった人も少なからず出てきています。どうしているのかなあ、とふと口に出したら

「つい最近、亡くなったのよ」

と教えていただくこともあります。この日も、踊りの達人だった女性の訃報に触れ、驚きました。安渡に通い始めた初期に、私の家の屋号は踊りと関係があるのよ、と話してくださった思い出深い方でした。最年長参加者だったTさんと共に、安渡の名物とも言える偉大な方の喪失です。

歌と体操のサロンは一時間、ずっと歌いっぱなしの笑いっぱなしでした。どこかでTさんや踊りの達人の女性も笑いながら見てくれているかなあ、と思いながらキーボードを弾いていました。

午後13:00- 吉里吉里第四

前月に大盛りあがりだったオットセイ漁の話ですが、まだ熱が冷めないのか「二連銃の鉄」という小林旭主演の映画の話題が出ました(あとで調べたら、ラッコも密猟していたという日本の漁業のエピソードが‥ゴールデンカムイか)。そしてここ赤浜には突きん棒の鬼と呼ばれるオットセイ漁の名人がいた、とも教えてもらいました。すごいなー。

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三陸の仮設ではずっと地元の方言を用いた発音練習をしてきたのですが、ここでは気仙地区(大船渡市や陸前高田市)出身の方がお一人いらして、同じ岩手県沿岸なのにこんなに言葉が違う!という比較が出来てとても興味深かったです。でも「頑固すぎて敬遠されがちな高齢男性」を指す言葉の比較級および最大級の表現は、大槌の方にも大受けでした。通じますね、これ。

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紅白の手旗をスティック状に持った背骨のびのび体操、そしてあてふり「好きになった人」「からたち日記」はアシスタントなすちゃんが担当しました。何と!すっかりあてふりをマスターした方がいらっしゃいました。

15:00- 小槌第八

この日も8月9日に大槌町シーサイドタウンマストで予定しているバルセロナ在住バイオリニスト籠島弥生さんカルテットのちらしを配布しました。皆さん、この日の予定に入れてくださったようで安心しました。

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大槌町の山奥(旧金沢村エリア)に安瀬澤という集落があり、そこでは狼をまつった社とお祭りがあると文献を調べていた時に読んだことがあるのですが、明治までは山奥に狼がいて人家や畑の作物を荒らしていたということなのだなあという話を皆さんとしました。そして興味深いのは、害獣を避けるために小豆を植える、という知恵があったのだそうです。8月7日に三陸の皆さんは小豆をいれた細長いうどん状の「はっとう」を食べるという習慣があるのですが、これも魔除けの意味があるのかな?と思いました。

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夏に関する歌を歌い、背骨のびのび体操を行った後、珍しく脳トレ「間違い探し」を行いました。盛り上げ役の男性Uさんが、いつも通りの大声で元気よく答えてくださるので、とても雰囲気良く皆さん全員が参加してくださいました。そして毎回

「この集会所が無くなっても、どこかで続けてくれるなら通うからね」

と励ましてくださいます。本当にいつもありがとうございます。

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