東日本大震災被災地域の医療・福祉従事者向け音楽療法セミナーin大槌町 2015/7/20

三連休の最終日、小雨のそぼ降る大槌町吉里吉里で2015年度前半最後となる沿岸講習会が開催されました。講師としてお迎えしたのは、私が最も敬愛する音楽療法界の最重鎮、精神科医の松井紀和先生です。

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85歳の松井先生はお一人で山梨県から小さなリュック一個だけを背負って、わざわざお越し下さいました。東日本大震災の発生直後から、私の現場へ何度も陣中見舞いに来ていただいていますが、ようやく先生をお迎えして講習会を開くことが出来て感無量です。

会場を快く貸してくださったのは、指揮者の佐渡裕さんがオーケストラの演奏会場として何度も訪れている地元のお寺さん、吉祥寺です。あいにく住職は不在でしたが、ここで毎月「うたっこの会」を開いている当法人理事の三井和子さんがツーカーの感じであれこれ手配してくださいました。

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立派な建物ですね。

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タンタンも会場の入り口で守護神のように凛々しく佇んでおりました。

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私が毎月お邪魔している吉里吉里第二仮設のS姉さんの他、前述の「うたっこの会」から数名の大槌町在住の方々がお手伝いとしてご参加くださいました。そして何と!お昼ごはんをごちそうしてくださいましたよ!お稲荷さんやゆでトウモロコシの他、甘辛く煮付けたワカメの茎など、美味しくいただきました。

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いきいき岩手支援財団の貴田さんから

「参加した皆さんがすぐに現場に持って帰ることが出来るような活動の紹介と、被災地で日頃ストレスにさらされている皆さん自身が疲れをリセット出来るような楽しい内容を是非」

と活動前に松井先生へリクエストがあり、事前に松井先生が準備していたPowerPointの講義を急遽変更して、アクティビティ中心のワークショップで午前と午後を過ごしました。

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参加者の方と「銀座の恋の物語」を熱唱するわたくし。

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松井先生も自らマイクを握って熱唱!これは貴重なシーンですよ!

最後の振り返りで、私は今回の企画の意図を

「被災地で奮闘している皆さんが普段行き詰まったり悩んだりしていることを松井先生に是非ぶつけて欲しいと思っていました」

と話すと、松井先生は

「被災地だから、と特殊に考える必要はなく、目の前にいるお年寄りに対してどう対峙するか、同じ体験をしていないと共感できることは少ないが、共感しようと願う心こそが大事だと思ってください」

とまとめてくださいました。私が被災地支援を始めた当初、自分が行っている活動に確信が持てなかった時期がかなり長く続いたのですが、それを見た松井先生が

「被災という悲惨な体験を経た人々に対して、音楽という楽しい体験を積み重ねてもらうことが大事であり、それだけで意味がある」

と励まして下さいました。今でもこの言葉を心の拠り所にして頑張ることが出来ます。先生をこのような場所にお迎え出来て、本当に良かったと思える一日でした。松井先生、そしてご参加くださった皆さん、ありがとうございました。

最後に松井先生へフロアから

「そんなに元気でいられるコツはなんですか?何を召し上がっているのですか?」

との質問があり、先生は朝食をあまり取らず、間食で好きなお菓子ばかり食べている、でも運動は人よりたくさんしていますと答えていましたが、個人的に松井先生の長寿の秘訣は「若い頃の盗み食い」だと思います。ふふふ。

※大学ラグビー部の仲間と北海道大学の畑やイケスから色々拝借なさってたそうです‥あ、バラしちゃった

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