そろそろ3月11日だな…4年がたつな…と過去を振り返ると、必ず最初に脳裏に浮かぶのが、震災から二週間後に出席した大船渡市盛保育園の卒園式です。当時、担当していた子どもたちの何人かは家を失い、日々の暮らしもままならない状態での旅立ちでした。我々も道路事情が悪くガソリン補給が出来ない中での遠出でしたが、子どもたちの卒園の現場に居合わせることが出来て幸せでした。一生、忘れることのできない出来事です。
今年もまた、旅立ちの季節、巣立ちの瞬間に我々は居合わせることが出来ました。二年間、隔月で音楽療法の時間を共有してきた子どもたちとお別れの瞬間です。
二人一組になってじゃんけんをして、勝ちと負けでチームを分けました。負けチーム、やる気満々でリベンジ開始です。
それぞれのチームから代表選手が順番に出てきて、空気入れで風船を膨らませ、どこまで遠くに飛ぶかな?という勝負をしました。勝利すると花の首飾りをかけてもらえます。応援団は自分のチームの代表者へ、惜しみない声援をおくります。
ちなみにふくらませている間のBGMは、中森明菜「ミ・アモーレ」です。時々は気分を変えて「赤い鳥逃げた」にします。
(わかりにくいネタ)
途中から子どもたちが
「ラッスンゴレライにして!」
とリクエスト。良く知らないので「あったかいんだからあ」で許してもらいました。トーナメント戦で勝った子はどんどん首飾りをかけてもらえますが、負け続ける子はなかなか首飾りをもらえません。最後のセッションだから手加減して、負けても首飾りを…と一瞬考えましたが、これから小学生になる子たちにあまり大人の事情でルールを曲げるようなことをしたくなかったので、すべてガチで通しました。時間はかかりましたけどね。
記念撮影をぱちり。
「卒園おめでとう、みんな小学生になったらきっと智田先生やなすちゃんのことを忘れてしまうと思いますが、それでいいんですよ。ただ、音楽で遊んだのが楽しかったな、という気持ちだけ持っていてくれたら、とても嬉しいです」
と最後に話をしました。すると、一人の女の子が教室に戻る時にそっと私の手を握りに来て
「わたしはね、ぜったい忘れないから!」
と言ってくれました。
コメント