大槌町「吉里吉里第二」「小鎚第十七」「小鎚第四」「小鎚第五」2015/12/19-20

19日16:00- 吉里吉里第二

お弟子Yはそのまま愛宕小仮設に残り、私とアシスタントなすちゃん(そしてタンタン)は大槌町浪板海岸へと移動。途中、津軽石のあたりで鮭祭りの渋滞にハマりつつも何とか到着しました。集会所には生協の移動販売を待つ住民の方が数名いらして、中には赤ちゃんを背負った若きお母さんの姿も。

「え、何やるんですか。ピアノ弾けるんですか?うちの子、アンパンマン好きなんですが」

とリクエストをしてくださったので、時間前でしたが何曲か弾きました。大層喜んでくださって嬉しかったです。

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生協待機組の皆さんが帰ったあと、我々のサロンに参加してくださる常連さんが入れ替わりでご来場。この日は私がYouTubeで見つけた震災の被害に遭う前の大槌町を撮影した動画を皆さんと一緒に観ました。

「もし閲覧の途中で気分が悪くなったらすぐ中止しますから、言ってください」

と呼びかけたのですが(リトラウマを引き起こす可能性があるので)、私の心配をよそに皆さんは何だか楽しそうに、そして懐かしそうに見入っていました。私もなすちゃんも、津波前の大槌町には足を運んだことが無かったので、かつての町並みを初めて目の当たりにしたのですが、本当に朴訥で昭和の風情ただよう素敵な町でした。

20日10:30- 小鎚第十七

ほぼ毎月、開始時間の1時間半前には集会所に入って有志の皆さんと取り組んでいる「炊飯器で作れるスイーツ教室」をこの日も行いましたが‥告知に不備があり、開始時間が大幅に遅れてしまいました。でも偶然、すぐに出来るレシピを用意していたので、何とか時間内には出来上がったのでした!良かった!

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手際よく粉を混ぜ、生地を作るベテランの皆さん。頼もしい!

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こちらは住人のUさんが今年取り組んだ復興米のパッケージです。栽培してくれた他県の皆さんと前日に食事会があったようです。

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ところでお弟子Yは初めての小鎚訪問だったのですが、UさんがとてもYを気に入ってくださって、わざわざ自室まで戻って産直のお餅をプレゼントしてくださいました。やはり美声を披露すると良いことがありますねえ。

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ここでも震災前の大槌町の風景を動画で上映しましたが、町方(中心部)に住んでいた方が多く、細かく停止ボタンを押して店や屋敷の思い出などを聞くことができました。

大急ぎでこしらえたスイーツも、写真のような出来栄えで好評でした。

13:00- 小鎚第四

第十七仮設でお昼ごはんをご馳走になり、急いで第四仮設へと移動。集会所ではちょっと肉付きの良い小学生男子が黙々とオセロに興じていたので、良かったら犬と遊んで!とタンタンを託しました。

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お互い、相手の手の内を探りつつ、どういうスタンスで対峙するか思案している様子。

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大人は集会所の中で子供の頃の思い出話や、町とザイ(山間部)の交流のエピソードについて聞きました。昔は町の汲み取り式便所でとれた肥やしを、子どもたちがズギダル(肥やしのつぼ)をリヤカーに乗せて運んで、山間部のお百姓さんに薪などと交換してもらった‥そうです。とある男性はそのリヤカーを道路の真ん中で倒してしまい、トラウマになってしまったと話してましたが‥確かに悪夢ですね。

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この他、農作業で背負う籠やミノの材料、伝統芸能である虎舞の違いなどについても教えていただき、貴重な学びの時間となりました。

15:00- 小鎚第五

開始時間になっても誰もいらっしゃる気配が無いから今日は‥?と思いましたが、5分ほど過ぎてからお一人ご参加くださいました。ありがたや!

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町方から安渡へお嫁入りした方だったので、お祭りの話や安渡の屋号の話など、やはりとても貴重な情報を教えてくださいました。とある方が

「歌の先生は、大槌の人間よりも色々知っていて詳しくなってるなあ」

と褒めて?くださいましたが、それもまた不思議な現象ですよね。女性の転居先は安渡の高台を予定しているとのことでしたが、時期がまだ未定なのでこれまで色々と逡巡があったようです。でもやはり、仮設住宅は山しか見えないので、海を毎日眺める生活が良い!と息子さんたちが言うので、安渡に住める日を気長に待つことにした、とおっしゃってました。

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帰り際、この女性のダンナさんが自室から大声で

「今日は顔を出せなくてごめんな!良いお年を!」

と挨拶してくださいました。一年間、ありがとうございました!また来年もよろしくお願いします。

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