ここ何回か、住人の方がいらしても音楽療法のようなことはせず、災害復興住宅のことや大槌町の行政の話題で一時間ずっと話をして終わるパターンが続きましたが、この日は皆さんとこれまでの小槌二十の活動光景をプロジェクターとスクリーンを使って上映しました。
すでに仮設団地から転居した方の顔が出ると
「懐かしいね!元気かしらね!」
と声があがりました。転居先がわかっていて、つながりがある方もいれば、全く音沙汰がなくなった方もいるとのことです。時間前に子どもたちだけが集まって、キーボードをガチャガチャと叩いて遊んでいた日の画像を見たときは
「この子たち、別の仮設団地に移ったのよね」
と教えてくれました。
参加者の皆さんからは、この画像をプリントアウトして一人ひとりに渡してほしい、と要望が出たので、次回来るときまでに用意しておこうと思いました。彼女たちが最も興味を惹かれて、全員から写真が欲しいと言われた画像は、小槌二十団地の外の様子でした。集会所の写真、まだ地面が舗装されていない時の砂利道、立ち並ぶプレハブ住宅の光景。
「これも思い出だものね」
とお一人がぽつりと漏らしました。家を津波で流されて、不自由を強いられて苦労ばかりの仮設暮らしも、こうやって思い出に変わっていくのかな…と感じさせられました。
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