避難所時代十一回目 2011/7/2

過去の記録から転載します。
7月2日(土曜日)、東日本大震災および津波の被災地である岩手県宮古市と山田町を訪問し、避難所で生活する方たちへ音楽療法を実施してきました。研修生二人と、元岐阜県音楽療法研究所所長の門間陽子先生と政治学者のなかむら光子先生も同行してくださいました。
 
宮古市 10:30-11:30 宮古小学校
この日は最も人が少なく、活動に参加したのはAさんただ一人でした。私、研修生二人、そして門間、なかむら両氏に囲まれて最初は少々居心地が悪そうでしたが、持ち込んだノートPCで新たにダウンロードした映画音楽の動画を観はじめると、色々な話題を口にするようになりました。
 「夜空のトランペット」「ひまわり」の動画を観終わったあとに、夏目雅子がこの曲を好きだったというエピソードから始まり、Aさんの亡くなった母親が病床で女性としてのみだしなみを整えていたこと、ギリシャ神話「パンドラの函」で希望がテーマであること、「ある愛の詩」「明日に向かって撃て」を観たあとは、ご自身が通っているキリスト教系の新興宗教で宣教師が言っていた「究極の愛は相手のために自分の命を賭けること」を印象深くおぼえていること、学生時代に授業をさぼって映画を観に行ったことなどを話しました。
洋楽の話題が多く、新興宗教の発祥がアメリカであったことから、門間先生が「アメリカの歌で好きな曲は何ですか」と質問し、「アメイジング・グレイス」とAさんが答えたので、ハミングで歌いました。Aさんは「自分は歌わない」と照れていたのですが、周りが歌い始めると自然と声が出ていました。その他、アメリカと中国の世界情勢について話をしながら「トッカータとフーガ二短調」「白い恋人たち」「悲しき雨音」「北上夜曲」「いい日旅立ち」「シバの女王」「ロシアより愛をこめて」「太陽がいっぱい」などのリクエストが出て、演奏しました。
先週もそうでしたが、一度Aさんが話し始めると、熱が入って多弁になり、切り上げるタイミングを図るのが困難になります。今回も11時15分の終了時間を超過しても話が終わらず、場を離れるのが遅くなりました。
 
山田町 14:00-15:00 はまなす学園
現地への到着が早かったので、しばらく入所者の皆さんがおやつを食べる様子をみながら準備をしました。今日のおやつは、内陸の施設から応援に来た職員が持ち込んだケーキだったので、皆さんとても喜んでいる様子でした。
食べ終わった人から何曲かリクエストをもらい、小さな音量で弾いていたところ、開始前にも関わらず多くの人が一緒に声を張り上げて歌い始めました。ここ数回行っている上肢運動を中心に準備体操を行い、難易度を調整することで参加者の集中力を高めるよう狙いました。
はまなす学園を出たあと、次の避難所まで時間があったので大槌町まで足をのばしました。
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避難所に犬がいたので、ガン飛ばしているわたくし。
山田町 19:00-20:00 豊間根中学校格技館
門間先生は、私がチビッコの時(といっても24歳でしたが)一番最初にお目にかかった、ホンモノの音楽療法士でした。臨床現場に入って一年目だったので、何をするにも門間先生の真似っこばかりしていました。
その先生が、私の一挙手一投足を間近でご覧になっている‥とゆー状況で被災地セッションをするのは松井先生以来の大緊張でしたが、自分のなすべきことを成し遂げようと奮闘しました。
あ、この日のお昼ご飯と夕ご飯は門間先生となかむら先生にご馳走していただきました!ありがとうございました!
Pap_0009

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