難病連によるサロン

普段暮らしていると、自分がある日「治療方法の無い病気になってしまう」という想像がつかない人が大多数だと思います。私もそうです。しかし人間である限り、いつなんどき病気にかかるかわかりません。それがどんな病気なのかも、その時になるまでわかりません。普段は忘れがちですが、命には当たり前に限りがあって、その質も誰からも保障されてはいません。
私の父は60歳になる前にスキル胃癌に罹患し、数ヵ月後に亡くなりました。自身も医師として多くの命と触れ合ってきた父は、静かに自分の寿命を受け入れていましたが、言葉にしないだけで遣り残したことは多かったと思います。桜のきれいな季節になると、父のことを思い出します。
私が「岩手県難病・疾病団体連絡協議会」「岩手県難病相談・支援センター」(今回は略して難病連とさせていただきます)の皆さんとご縁が出来て、音楽療法をするようになったのは父の死の後でした。命がどれほど尊く、輝かしいものなのか。現代医学では完治が難しいと言われる特定疾患と呼ばれる病気(もしくは認定されていない病気)と戦いながら、日々希望を失わずに前向きに生きる皆さんが、音楽療法の時間に懸命になって歌う歌声に触れるたび、その姿を在りし日の父に重ねつつ命についての思いを新たにします。
今日は難病連のサロンが考仁病院で開催されました。
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入院中の皆さん。
在宅の皆さん。
支援者の皆さんが音楽を楽しもう!と一体となって、会場は熱気に包まれました。そして今日はバイオリンの高山仁志さんも一緒でした。
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事後、参加者の女性が感想を述べてくださったのですが
「高山さんのバイオリンは音がそろっているとか正しいこともあるんだろうけど、それより音色がとても心を動かす」
という、私もずっと思っていることをズバっと言って下さいました。自身も難病を抱えながら賢明に生きる高山さんの演奏する音色は、何の曲でも私の魂を深く揺り動かします。何度、一緒に演奏しても落涙しそうになります。音楽とはそういうものだと思います。
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2ショット、いえーい。
(手前のおっさん邪魔)
一般社団法人東北音楽療法推進プロジェクト、愛称“えころん”の顧問でもある洗足音楽大学の岡崎香奈さんから寄贈していただいたハンドベルで「花は咲く」を演奏したり、とても素晴らしい時間をすごすことができました。ありがとうございました。

コメント

  1. […] 高山さんは以前もこのブログでご紹介しましたが、ご自身が幼い頃に重い病気にかかり、その後も障害を抱えながらバイオリン演奏で人々の心に音楽を届ける活動をずっと続けています […]

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