年に一度の岩泉町幼児教室は、もう10年以上になるでしょうか。
当時はまだ早坂トンネルがなくて、冬に岩泉へ移動しようとすると非常に運転が怖い峠道をおそるおそる走ったものでした…遠い目。今はあちこち、便利になっていいですねえ。
例年は保健センターで開催している幼児教室が、今回は「いわいずみこども園」での開催と聞いて、地図を頼りに訪ねてみました。新しくできた建物は木をいっぱい使ったエコな作りで、子供たちはみんなはだしで歩いていましたよ。セキュリティも厳重で、入口のインターホンを押して確認とらないと、誰も中には入れないようになっています。
支援センターにあった張り紙を見て、アシスタントなすちゃんが首をかしげていました。どうしたの?と聞くと
「これ、子供向けのメッセージみたいなんだけど」
「…子供、読めるかな?漢字」
そういえば、そうかも…。
約1時間、たくさんの子供、お母さんたちと音楽あそびをしました。大人の太ったおっさんが変なことをしまくるので、怖がる子も結構いましたが、遠くから恐る恐る(お母さんの陰にかくれつつ)呼びかけにこたえてくれたり、拍手してくれたり、自分なりに一生懸命活動していたようです。
子供の活動で気をつけているのは、音楽療法だからと言って無理に音楽へと結びつけようとしないことです。大人の理屈ではわからないような、彼らなりの方法で音を楽しんでいる最中に
「ほら、バチもって太鼓たたこうよ」
とか
「座って先生の真似して体動かそう」
とか言われても、それは大人が“音楽をさせた気になっているだけ”であって、本来の目的である発達を促す活動にはなっていません。彼らの持つ創造性を探り当てて、それがどこに向かって伸びようとしているのかを、根気強い観察と洞察力から少しずつ知ろうとするのが大人の役割だと思っています。
岩泉で今回出会った子供たちは、とても創造性の豊かな子ばかりでした。たくさんの刺激を受けて、多くの大人の手で育てられるようにこれからも祈ってます。
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