えころん音楽教室 第5回

10:30-11:30 えころん音楽教室(未就学児童対象)
前回は紫波町保健センター「ぴよこちゃん教室」と合同開催だったので賑やかでしたが、今回は通常通りだったので3組のご参加でこじんまりと行いました。その分、みんなとてもリラックスしてのんびり楽しんでもらえたようです。
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締め出しをくらう、私。
今回は「卓上ミュージックベル」「トランポリン」「ちゃんとした椅子」を完備!ちゃんとした椅子!前回、座っただけで壊れたのがあったからね~。
・山の音楽家でベル演奏
・どちらかを、鳴らしましょ、どちらを鳴らすか聞いてみて!苺!シャンシャン鈴!(長)
・トランポリン
・風船ふくらまそ
・風船わっしょい
・シール貼りDE顔
終わった後、みんなあっさり帰っちゃったので少々寂しかったです‥。
13:30-14:30 えころんシニア教室
お知らせハガキが功を奏して、二ヶ月ぶりにいつものお二人が来て下さいました。お一人はお休みです。
お二人とも、この夏はお盆で墓参りをしに沿岸へ行ってらしたそうです。津波で流された家のあった場所は夏草が生い茂り、何だかせっかくの自分の土地なのに、もったいないなあと思ったそうです。
開始から数十分は沿岸の昔からの思い出(公民館などで演芸会をしていた話など)、方言などの話題で盛り上がっていたのですが、せっかくだから歌いましょう!ということでリクエストをいくつか出していただき、歌っていました。
「私、あれ歌いたい‥アリラン」
ん?朝鮮の民謡ですね。
以前、芸術療法学会の大会アトラクションで弾いたことがあったので大丈夫ですよー、と弾き始めたところ
「日本語に訳した歌詞が知りたい」
とおっしゃるので、wifiとパソコンで検索してみました。
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「何か、思い出があるんですか?」
とお聞きしたところ、以下のようなエピソードを語って下さいました。
※これから書く内容、表現について「差別的だ」と感じる方がいらしたら大変申し訳なく思いますが、被災した方の思い出や印象を出来るだけ正確に伝える目的があるので、どうかご理解をいただければと思います。またプライバシーの関係で個人特定につながるような部分は削除・改変してあります
今から半世紀以上も昔、沿岸の賑やかな集落に生まれ育ったその方(Aさん)はある日、ご自宅の隣にあった空き家に見知らぬ一家が住んでいるのに気づいたそうです。母親に聞きに行ったところ
「路頭に迷って困っている朝鮮人の一家がいてねえ‥他の住民はことごとく追い払ったらしいけど、私は可哀想だから空き家を貸したの。Aちゃんも朝鮮人だから冷たくしないで、仲良くね」
と言われたそうです。その一家が住んでいた期間は長くなかったようですが、Aさんのお母さんは一家の母親から朝鮮漬けや、ラーメンの出汁の作り方など本場の料理を教わるなど多くの交流があり、一家がどこかへ引っ越してからも時々はアリランの歌を口ずさんでいたそうです。
「今日ね、ずっと昔の思い出話や方言の話をしたでしょう?そうしたら今まで全然思い出しもしなかったような、ずっと昔のことまでありありと蘇ってきて。朝鮮人の一家のこともそう。そうしたら、急にその、アリランの歌が懐かしくなっちゃって」
「朝鮮半島の民謡だと、あとトラジというのも有名らしいですね」
「ああ、それも知ってる。今回、私たちは津波に遭って、家を流されたでしょう。そして仮設住宅に住んだのだけど、屋根が低くていくつもの家族が寄せ集まった長屋みたいなあの建物を最初に見て、ああ‥昔私たちの町にもこういう朝鮮人居住地域があったなあ。あの時の朝鮮人たちみたいに、今の私たちも津波で流されなかった人々から下に見られてしまうような存在になったのかなあって思ったの。ってことは、実は私も知らず知らず下に見ていたってことなのね。彼らのこと‥そんなことまで蘇ってきたわ」
Aさんは一心不乱にアリランの歌詞をメモ帳に記していきました。そしてまた来月来ますね、と行って帰っていきました。
人には色々な思い出があります。音楽はその記憶を蘇らせる作用があります。私は津波を経験した方に、津波前の楽しかった記憶を思い出してもらいたくてずっと活動を続けてきましたが、楽しい思い出ばかりじゃないのだなあとこの時気づきました。
彼女たちと歌を歌っている最中、携帯が鳴りました。
近所にあるNPO法人「紫波さぷり」の細川さんからでした。もしシニア教室のあと時間が余っているのなら、子供たちを連れていくからセッションしてもらえないか?とのことだったので、喜んでお引き受けしました。
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小学生の男の子二人が来てくれました!
楽器演奏を上手にしてくれましたよ。

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