3月 10

「歌と体操のサロン」7年間のあゆみ

もうすぐ7年目の3月11日を迎えます。我々が三陸に通い始めたのは2011年4月ですが、つい昨日のことのように感じます。また、記録の整理をしながら活動のまとめをしている時には、全ての活動、出会った全ての人々、歌った全ての歌をはっきりと思い出せます。とはいえ、あやふやになってしまったことも多々あるので、早いうちに何かしらの形で次世代に伝えるべきことをまとめたいと思っております。

記録用の画像については、二年前に「三陸の海に響け、ふるさとの歌声」という題名の写真集を出版して仮設住民や関係部署、支援して下さった方々へ配布することができました。動画も撮影しておりましたが、もう連絡がつかない方の分は残念ながら肖像権の問題で公開は出来ません。事前にお許しを得て今でもコンタクト可能な方の分を集めて、ここにご紹介いたします。三陸に足を運んだことの無い全国の(そして全世界の)支援者の皆様に、実際どういうサロン活動を行っていたのかを感じていただくためです。

どうぞじっくりとご覧いただき、動画に映っている皆さんの声や表情からサロンの雰囲気などを感じ取っていただければと思います。

なお、全ての動画は無断使用および無断転生は禁止いたします。

「安渡第二」2013.4.28

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https://youtu.be/OTeoj2l5MJ4

映画「喜びも悲しみも幾年月」主題歌は三陸の人々にとってはなじみの深い歌。おもちゃの鳥を楽器に見立てて歌いながらの合奏を試みました。2013年4月28日、大槌町安渡第二仮設にて

「安渡第二」2016.8.22

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https://youtu.be/pDufdH9umXw

ソフトボールを太鼓に見立ててスティックを持ちながら「お猿のかごや」を叩いてみました。大槌町安渡第二仮設にて、2016年8月22日撮影

「安渡第二」2017.4.16

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https://youtu.be/tLE6c16mQtw

氷川きよし「きよしのズンドコ節」に合わせた体操を指導している法人スタッフ、通称「お兄さん」ことなすちゃんです。コミカルな動きで大人気!大槌町安渡第二仮設2017年4月16日撮影

「安渡第二」2017.5.21

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https://youtu.be/AYrY7KqZJ0Q

久保幸江「トンコ節」の歌詞に合わせた動きをする、いわゆるあてふりを皆さんと楽しんでいる場面。大槌町安渡第二仮設2017年5月21日撮影

「吉里吉里第二」2016.5.22

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https://youtu.be/oKkLXGN8_rk

小柳ルミ子「瀬戸の花嫁」に合わせた踊りを当法人スタッフのなすちゃんが指導している場面。岩手県大槌町吉里吉里第二仮設にて2016年5月22日撮影

「吉里吉里第二」2017.7.16

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https://youtu.be/QgHdTsOAaZQ

オーストラリアからお越しいただいたゲストの音楽療法士二人と一緒に島倉千代子「からたち日記」のあてふりを踊ります。岩手県大槌町吉里吉里第二仮設にて2017年7月16日撮影

「吉里吉里第二」2017.11.19

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https://youtu.be/Ir8bHXRF47U

たまには洋楽でダンスを‥ということで「Save the last dance for me」の練習をしている場面です。岩手県大槌町吉里吉里第二仮設にて2017年11月19日撮影

「崎山」2012.12.13

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https://youtu.be/4H94-q6i4co

都はるみ「好きになった人」やマヒナスターズ「お座敷小唄」など有名なメロディーに合わせて自作の歌詞を持参した男性が訪ねてきました。果たして上手に歌えるでしょうか?岩手県宮古市崎山仮設にて2012年12月15日撮影

「近内」2013.3.30

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https://youtu.be/8QYgmSLVuPY

東日本大震災による被災者に向けた応援ソング「花は咲く」は仮設住宅に住み皆さんも大好きで、何度もサロンで歌いました。この日は頑張ってハンドベル演奏にも挑戦!岩手県宮古市近内仮設にて2013年3月30日撮影

「板屋」2015.11.21

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https://youtu.be/3ILWpKSyOZY

小林旭「恋の山手線」をローカルバージョンの歌詞に変えて発売された「恋の山田線」、一定の年齢以上なら現地の皆さんも良くご存じでした。脳トレにもなる手の動きをつけてみましたよ!岩手県宮古市板屋仮設にて2015年11月21日撮影

「鍬ケ崎」2017.5.14

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https://youtu.be/bLgQbrknEyY

五月みどり「一週間に十日来い」であてふりを踊る様子です、岩手県宮古市鍬ケ崎仮設にて2017年5月14日撮影

「鍬ケ崎」2018.2.4

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https://youtu.be/rQHEiL0qZ8U

この日が鍬ケ崎仮設でのサロン最終日でした、この春から皆さんは仮設を出て別な場所に移り住み、新たな一歩を踏み出すのです。お別れに「蛍の光」を歌いました。2018年2月4日撮影

「なかよし公園」2017.8.6

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https://youtu.be/wh9H9xf3vf8

バルセロナ在住の日本人ヴァイオリニスト籠島弥生さんが訪ねてきてくださいました。岩手県宮古市なかよし公園仮設の皆さんに向けて「故郷」を演奏、私も隣で美しい音色を聴きながら「避難所巡回の頃はこの歌が辛くて聞けないと言っていた方がいたなあ」と思いをはせました。2017年8月6日撮影

「愛宕小」2017.7.15

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https://youtu.be/yz0o3HVw9jE

長期間にわたる避難生活で体調を崩す方も少なくありませんでした、そこで当法人では歌を歌うだけではなく身体のケアや運動にも力を入れて行くことにしました。サロンの体操にZUMBA®を取り入れたのをきっかけに、Japan Wellness Innovationが考案した足のセルフケア法「Q-ren骨盤体操」を学びました。愛宕小仮設の皆さんと取り組んでいる場面です

3月 04

宮古市「実田」「津軽石公営住宅」2018/2/18

午前10:30- 実田

2018年3月までに宮古市のほとんどの仮設が解体される予定ですが、実田仮設は一昨年秋に発生した台風10号による被害で入居した方々のために残される数少ない場所です。が、この日の朝に到着して驚いたのが、半分ほど棟が撤去されて更地になっている光景でした。い、いつの間に!

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雪かきにいらしてた宮古市社協の方に聞いたら、いきなり解体が決まってあっという間に撤去されたのだそうです。そんな大人の戸惑いはよそに、寒い日曜日の朝でも男子たちが広くなったスペースで元気に遊ぶ姿がまぶしかったです。

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実田のサロンは前回、スタッフの体調不良で一回お休みとなってしまいましたが、数か月ぶりに皆さんの変わらぬ笑顔と歌声に再会することができました。1時間の活動時間の半分が過ぎようとした頃、ひょっこり新規のお客さんが。しかも珍しく男性です。帰りがけの社協さんからサロンの開催を聞いて、ちょっとのぞいてみようかな?と足を運んで下さったとのこと。7年目間近にして、新たなお仲間が出来るとは、何と素晴らしいことでしょうか。

午後13:30- 津軽石公営住宅

午後の津軽石公営住宅も、前回キャンセルしてしまいました。ここには荷竹、清寿荘など近隣の仮設から移り住んだ顔なじみの方々が多く、病欠した我々にあたたかいお見舞いの声をかけていただきました。

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仮設時代には良くサロンへ顔を出してくれていた方が、公営住宅に住み始めてからはとんとご無沙汰‥ということもありますが、多少の寂しさは感じるものの個人的にはその方にとっては人生の新たな段階に切り替えた‥という前向きな考え方をするようにしています。その一環として、仮設での最後のサロンで何度か「仰げば尊し」「蛍の光」など卒業の歌を歌って区切りをつける試みもしました。その際、涙を流してこれまでの数年間を振り返る場面もあり、また逆に晴れ晴れしく大騒ぎをして「はい、解散!また逢おう」とお別れした場面もあり。様々でしたが、ここの皆さんのように仮設で面白かったからまた来たよ!と有難いことを言って下さるケースもあります。

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二戸市や雫石町の介護予防教室でも使用している「歌と体操のサロンしおり」を配布して、この日も身体のトレーニングや健康に良い歌の歌い方を一通り説明して、たくさんの懐メロを歌いました。避難所も仮設住宅も「仮の住まい」でしたが、公営住宅は殆どの方にとっては安住の場所となる見通しです。この場所で長く長く続けていけるような活動をしたいと思っています。

3月 02

大槌町「安渡第二」「小鎚第十七」「小鎚第四」2018/2/11

午前10:30- 安渡第二

前月から、公営住宅に転居したTさん(96歳)を朝お迎えに行くことにしていたのですが、何度チャイムを鳴らしても応答がなく‥しばらくたたずんでおりましたが、諦めて仮設へ向かいました。

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集まって下さった方から、Tさんは今週ショートステイを利用するために不在だと聞きました。なんだ、そうでしたか‥理由がわかってホッとしました。常連のお一人は今日がお引越しだそうで、欠席です。

「ほら、あそこ、窓から見えるでしょう」

と場所も教えていただきました。

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たくさん歌を歌って、喉を潤すためのお茶も飲みつつ、前日に田老地区の産直で仕入れた面白いお菓子を食べました。画像をご覧ください、なまこパンとはっかパンです。なまこパンは別に海のナマコが成分として入っているわけではないのですよ‥隣のはっかパンは本当に薄荷が入ってスース―してました。参加者のSさんはこのお菓子が大好きとおっしゃっていて、でも自分で買いには行けない‥としょんぼりなさっていたので残りをお土産に差し上げました。

午後13:00- 小鎚第十七

そうそう、この週は大雪が三陸をおそったのでした。あちこちに雪が残っていて道があぶなかったのですが、小鎚第十七仮設のある蕨打直(わらびうちな)の山も真っ白になっていました。

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寒くて足元の悪い中、いつものUさんNさんが遊びに来て下さいました。今年の雪、寒さは本当に驚きですね、という話題からパソコンの中に入っていた昭和38年のいわゆる「三八豪雪」を伝えるニュース映画をご覧いただきました。北陸の豪雪、さすがに日本海側だね!という感想が出ましたが、私も生まれは秋田県で幼いころに「二階から外に出た」という記憶があるので、何だか懐かしかったです。

15:00- 小鎚第四

早めに小鎚第四に到着したのですが、既に皆さんお集まりでした。と思ったら、以前ボランティアで大槌町を何度も訪れていた静岡県の女性(当時高校生)が取材のテレビクルーを伴って訪ねてきました。皆さんとは顔なじみで、皆さんとても懐かしそうでした。あと、テレビの人たちはたぶん同じ宿にいた方々‥。

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いつもより大勢の方々と一緒の活動なので、私も張り切って静岡県に関する歌やクイズなどをバンバン出して盛り上げようとつとめました。

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そろそろ東日本大震災から七年目ですが、こうやって遠い静岡の方がわざわざ取材にいらしてくださるのはありがたいですね。忘れられていない、ということがとても嬉しいです。

3月 01

宮古市「三王自治活動センター」「鍬ケ崎公民館」2018/2/10

午前10:30- 三王自治活動センター

二か月に一度訪れる三王自治活動センターは宮古市田老地区の中心街そばにある住宅地の公民館です。同じ宮古市の他の訪問先に比べて、旧田老町は一山越えていかなければならないので、我々は通常より早い時間に出発するのですが、途中の道路工事や何やらを警戒してさらに早めに出ることが多いです。たいがい、現地に到着してから暇つぶしをするはめになるのですが、少し前にオープンした「とれたろう」という産直施設が居心地よいので定番となりそうです。

さて「歌と体操のサロン」はご覧の通り、多くの方にご参加いただきました。

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今回はサロンてびきの他、これまであちこちのサロンでリクエストの出た懐メロや童謡唱歌などの題名を集めたリスト10ページをお渡ししました。これを見てすぐにリクエスト、というわけにはいかず(なにせ字が小さく曲数が膨大)自宅に帰ってからじっくりと見ていただくことに。

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アシスタントなすちゃんのダンス指導にも熱が入りました。もう数回、同じ曲(セプテンバー)で踊っているので、皆さんも慣れてきたのでは?と見ていて思いました。何より、体の大きなお兄さんがぶんぶんと肉を揺らしながら一生懸命動いているのは、何だか笑顔になりますね。

午後13:30- 鍬ケ崎公民館

田老で軽くお昼ご飯(立ち食いソバ)を食べてから、鍬ケ崎へと向かいました。来るたびに、新しい住宅が建っていて町全体の活気を感じます。お馴染みラウンドアバウトにも慣れてきました!

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始まる前、館長さんから毎度珈琲をごちそうになっているのですが(ありがとうございます!)だんだんと公民館も行事が増えてきて、予約がとても大変になってきたそうです。我々も早めに連絡しなければ。

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この日は誤嚥予防の体操と、脳トレをいくつか取り混ぜながら行いました。我々のサロンではなるべく大笑いできるような素材を使うことにしているのですが、シルバー川柳は本当に鉄板ですね‥ありがたや。

2月 17

宮古市「鍬ケ崎小」「西が丘」2018/2/4

午前10:30- 鍬ケ崎小

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このままずっと続いていくかと錯覚していましたが、やはり物事には終わりがきます。他の仮設団地と同様に、宮古市の鍬ケ崎小学校仮設および西が丘仮設は今年度中に解体されるために、この日のサロンが最後となりました。住民の方々にとって、この六年間はどんな風に受け止められているのだろうか‥やはり晴れ晴れとした気持ちなのか。それとも寂しいという感情が強いのか。私はそれを聞くことはありませんでしたが、最後のサロンはせめていつも通り明るく楽しく遂行しようと思いました。

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小学校の校庭に建設された仮設なので、春になると綺麗な桜の花が鑑賞出来て、秋には銀杏がいちょうの木から落ちてきました。四季の豊かな場所でした。最初に訪問した時のことをはっきりと記憶しています。暮れも押し迫った冬の日に、皆さん足元にブランケットを巻きながら畳に直接座って一緒に歌を歌ってくれました。同席してくれた若い男性の支援員さんが、我々の活動をとてもほめてくださって、それでとても元気が出たことも思い出されます。

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いつも通りに歌って、いつも通りに終わろう‥と考えていたものの、やはり最後はきちんとお別れをしなければ‥と、蛍の光を歌いました。私も皆さんも目を真っ赤にはらしながら、声を張り上げて歌いました。どうかこの先も元気で幸せに暮らしてくださいますように。

午後13:30- 西が丘

しょんぼりしながら西が丘に移動して、買った弁当を食べつつ窓の外を眺めて

「この大雪だから、もしかしたら公営住宅から歩いてくる皆さんは来ないかな」

と思っていたのですが、何と!徒歩組の皆さんは乗り合わせてタクシーでご来場!!今日が仮設サロン最終日だから何としても来る!と強い意志を持って集まったのだそうです。頭が下がります‥。

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自家用車組も集まって、いよいよ最後のサロンです。しめっぽいのやあね、ということで西が丘の皆さんは最初からテンション高く歌って踊って!!大宴会です。

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アシスタントなすちゃんも渾身のダンス!手足がなめらかで、東京音頭がまるでフラのよう!懐メロを歌う時も次から次へとリクエストがひっきりなしに続きました。1時間じゃとてもじゃないけど足りません。このまま延長しましょうか、などと笑い声が絶えません。

西が丘の初日もはっきり記憶しています。ひな祭りの時期だったので、談話室の片隅にひな飾りがありました。今はお会いすることもなくなった元住民の皆さんが、誰がどこに座って何をリクエストしてくれたのかもおぼえています。一回いっかい、本当に貴重な出会いばかりでした。

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「じゃあ、今度は公営住宅の集会所でね!!」

「待ってまーす」

と皆さんに言われてお別れしました。そう、仮設のサロンは終了ですが、我々はまだまだこれから先も通い続けて、皆さんと素敵な歌声をこの町に響かせていきたいと思っています。どうぞこれからもよろしくお願いいたします。