サイコドラマ 2014/4/16

増野先生からお声掛けいただき、ご一緒するようになってもう何年でしょうか…少なくとも2009年に東北福祉大学で開催された日本芸術療法学会より前なので…5年以上ですね。

すっかりお馴染みになった西落合の就労センター「街」3階で、サイコドラマのお手伝いをしました。集まった皆さんが思い出に残る音楽を、サイコドラマの重要なモチーフとして取り扱う際の伴奏者として、です。「あの時、こうありたかった」「あの人からこう言ってほしかった」など、過去の振り返りでその人が思う「別の自分のありよう」「今はもういない人との再会」を具現化するために、サイコドラマの中で参加者全員で演じます。音楽を提供する時には、できるだけ思い出に寄り添うために原曲に忠実な演奏を…と思うのですが、毎回知らない曲(しかも難しい)がどんどん出るので、音楽療法士としてはこれほど鍛えられる現場はありません。

この日も私の知らない曲、歌がたくさんでました。

童謡「びわ」

ジョルジュ・ムスタキ「私の孤独」

スタンダード「when you are smilling」

また、参加者が出会った人が自ら作ったオリジナル曲!というのも再現しなければならず、これは聴音の力と即興での伴奏力が問われます。もしかしたら音楽療法士の試験でこういった形式のも良いかもしれません。なにせ即興力って大事ですから。

セッションの内容をここに書き連ねることはできませんが、一番印象に残ったのは「亡くなった人との対話」の場面です。連れ合いや家族を亡くした喪失感は私も経験があるので、非常に胸に迫るものがありました。その際、増野先生は

「亡くなった人は普段は心の中で眠っています、サイコドラマで演じる時は起きて、我々に話しかけてくれるのです」

とおっしゃいました。これがサイコドラマの素晴らしいところだなあ、と思います。私はいつも増野先生の背後で皆さんの一挙手一投足を見守っているだけですが、いつか機会があったらあの中に入って今はもういない人との対話を体験してみたいです。

01

ところで私はサイコドラマの導入時に音楽療法のアクティビティをいくつかご紹介させていただいたのですが、会場となった就労センター「街」1階のスワンベーカリーのパンがいつも美味しいので、パンという言葉を使ったボディパーカッションを行いました。本当に美味しいので、近所の方は是非食べにいらしてくださいね。写真はランチセットです。751円でパン2個えらべて、スープ、サラダ、飲み物つきです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました