避難所巡回時代 十回目 2011/6/26

過去の記録から転載します。
6月26日(土曜日)、東日本大震災および津波の被災地である岩手県宮古市と山田町を訪問し、避難所で生活する方たちへ音楽療法を実施してきました。研修生の二人も同行しました。
 
宮古市 10:30-11:30 宮古小学校
中に入ると誰もいなかったので、数週間前から避難所の代表(班長?)になった方と長くお話をしました。仮設住宅の建設が進んでいて、そちらへ引っ越す方も増えてきたとのことでした。数名残っていた小学生たちと風船遊びをしていると代表の方が寝ていたAさんを起こして、活動が始まりました。
Aさんには研修生が同伴し、先週と同様にPCで「ロシアより愛をこめて」「純愛日記」「太陽がいっぱい」を観ていました。
しばらくしてCさん(都はるみ好きな男性)がいらしたので、もう一人の研修生が対応して一緒に都はるみの曲を歌いました。研修生は宮古小学校でいつも音楽療法に参加している数名の嗜好を把握して、それぞれに別個の歌集を用意していたのですが、Cさんには都はるみを中心とした選曲をしていました。
口が達者で、時々きつい冗談をなげかけるのですが、Aさんが曲をほめると非常に嬉しそうな表情を浮かべていました。
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終了時間間際にDさん夫妻が外出から戻り、前回の御礼を言われました。右手のリハビリにギターを毎日弾いているが、元通りになるのは無理かもしれないと言っていたので、いつか一緒に音楽活動をしましょうとお誘いしました。
山田町 14:00-15:00 はまなす学園
今回は自作のケーキをおやつ時間に持参しました。相変わらず使い捨ての紙皿を使っていて、窓からは大きな蝿が出入りしている状況で、それほど環境は改善されているようには見えませんでした。しかし、数日前に施設長から電話でうかがったところによると、来月半ばには山向こうの集落にある中学校の校庭に、施設のかわりとなる仮設の建物を建設中で、引っ越しの日取りも決まっているとのことです。重度と中軽度が別々の棟になり、支援は今より更に困難になる見通しだとはいえ、環境を一新できる日が近いのは喜ばしいことだと言っていました。
活動はリズム運動から開始して、前回作成した歌集を配布しての歌唱を行いました。隣に座っていた女性二人が、熱心に歌集をめくっていたのですが、ホッチキスでとめていなかったのでどんどんバラバラにして、途中で歌う曲が探せないほど散逸してしまっていました。
前回もやってきた重度の男性が、やはり今回もキーボードを気にして、近寄って持って行こうとしていましたが、研修生が間に入って制止しました。打楽器配布の際は興味をそれほど示していませんでした。
入所者の一人を指名して歌集から一曲リクエストを募り、歌い終わったらリクエストをした方に次の方を指名してもらう方法で進行しましたが、一人の女性が歌集からではなく私物の歌本から選び始めました。歌集には24曲しか入っていないので、徐々に曲数を増やしていく必要を感じました。
山田町 19:00-20:00 大沢小学校
正面玄関から入って係の方に挨拶をしたところ、体育館での開催になるので移動しました。
約束の開始時間よりかなり早い到着だったのですが、体育館にござを敷きはじめたあたりから人が集まり始めて、中には10名近い子供たちも含まれていました。事前に担当保健師から連絡があったリクエストに、多くの若者向けの楽曲が含まれていたので、今回の歌集は通常の大人用の他にもうひとつ若年性に向けた歌集を用意しておきました。
研修生とじゃんけんして買ったらバルーンをもらえるゲームを行いましたが、なかなか皆恥ずかしがって前に出てきませんでした。年長の児童のほうがより引っ込み思案な傾向が見えましたが、時間がたつにつれて(AKB48の曲を歌ったあたりから)緊張もほぐれて、一番後ろの列で踊ったりはしゃぐ姿が見られました。
バルーンをもらった男児が、遊んでいるうちに破裂させてしまい、傷ついた表情で自室へ戻っていったのを受けて、周囲の大人に「これをあとで届けてあげてください」とあらたなバルーンを作成。
大人の参加者は男性が一人で、他全員が女性でしたが、とても反応が良く、大きな声で歌い大きな声で笑って、発散になったと喜ぶ方もたくさんいて盛り上がった一時間でした。
活動が終了した後に、せっかく歌詞があるのに歌えなかったと嘆く児童が数名いたので、持ち込んだノートPCで遊助「ミツバチ」を共に観賞しました。
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