上京して仕事してきました

●桜楓カウンセリング研修会
日本女子大学の敷地内にある建物で、精神科であり日本のサイコドラマ創始者でもある増野肇先生のワークショップが開催され、その伴奏におじゃましました。
(増野先生の傘寿のお祝いも兼ねてあったので、私の参加はサプライズ扱いになっていたそうですが‥恐縮です汗)
増野先生とのコンビ、というのもおこがましいですが、ご一緒させていただくようになって数年たちます。もともとは増野先生の東北巡回サイコドラマで、岩手で誰か音楽療法士さんいないですか?と増野先生が松井紀和先生(精神科で日本の音楽療法の草分け的存在、恩師)に相談したところ
「智田くんってのがいるよ、面白いよ」
とおっしゃってくださったのがきっかけです。
サイコドラマでなんで伴奏が?と思った方も多いとおもいますが、私も最初びっくりでした。でも、増野先生のワークショップはミュージカルがモチーフになることが結構あって、その再現部分に音楽があると効果が増大されるようです。お恥ずかしい話ですが、大学でオペラを専攻していた割に、あまり歌劇やミュージカルに興味がなくて、参加者からリクエストされる楽曲の殆どがわからなかったのです。そこで、その場でリクエストをした方に鼻歌で主旋律を歌ってもらい、適当に和声をつけて弾き始めたら、増野先生がとてもおもしろがって
「音楽療法士ってそういうことできるんだねえ」
と言ってくださって、何だか胸をなでおろしたものです。
東日本大震災の後、前述の松井先生が私の仮設巡回に同行してくださった時
「その場その場で被災者と対峙して瞬時にいろんなことを判断しなければならない被災地では、即興に強い音楽療法士が向いているよ。津波で思い出を流されてしまい心に傷を負った人にとって、音楽療法という楽しい体験の積み重ねは意味のあることだから頑張って」
と励ましてくださったことを今でもありがたく思い出しますが、私の即興力の大半は、増野先生とご一緒したサイコドラマのワークショップで鍛えられたものです。
「何かケルトっぽいのお願い」
とか
「スパイ映画のような音楽ください」
とか、冷や汗の連続でしたが、そのたびに脳みそをフル回転させつつ即興演奏する訓練は、私の被災地での即応力にとても役立ちました。
ワークショップ終了後は、主催者の皆さん、参加者の一部の方と一緒にホテルメッツに移動して、傘寿のお祝いにくわえていただきました。ありがとうございました。
●聖徳大学
音楽療法を学ぶ学生さんに向けて、東日本大震災の被災地で行なっている音楽療法について話をしてほしい。依頼してくださったのは、聖徳大学の古平孝子先生です。古平先生は国立音楽大学を卒業後、ニューヨーク大学で修士をおとりになり、現在は日本におけるノードフ=ロビンス音楽療法、分析的音楽療法の第一人者であられます。
初めてお邪魔した松戸市の聖徳大学は駅からほど近い場所にある、とても広々とした素敵なキャンパスでした。私が受け持った授業は午前中の90分のコマでしたが、10数名の学生さんが集まり、やりとりをしながら楽しく進めることができました。
積極的にどんどん質問や意見を出してくれるので、やりやすかったです!
「皆さんだったら、仮設住宅に住む人々に向けてどんな狙いで、どんな音楽を提供するのか」
「接遇する際に気をつけるべきポイントは」
「楽器演奏をその場で行う時にどんな工夫をするのか」
など、若い感性で新鮮な意見がどんどん飛び出て、私も刺激を受けて帰ってきました。とても貴重な機会を与えてくださった古平先生に感謝です。
その後、新幹線の時間まで余裕があったので、知人を誘って荻窪の焼き鳥屋さんでゆっくり飲んでから帰りました。

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