紫波町古舘公民館「ひまわりサロン」 2013/1/18

東日本大震災の被災地となった三陸の町から、盛岡の南に位置する紫波町へと避難してきた皆さんを対象にした音楽療法を行ってきました。
今日で4回目です。
宮古市田老から陸前高田まで、出身地はバラバラですが、いわゆる「みなし仮設」と呼ばれる公団・アパートにお住まいの方から、御親戚を頼ってお住まいの方などに交流してもらう場として設けられた「ひまわりサロン」は、紫波町のボランティアさんによって運営されております。
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今日は仮設住宅で使用している「楽曲リスト」を配布して、それをもとにリクエストを募って進行しました。最初は皆さん遠慮して、なかなか声が出ませんでしたが、珍しく男性が積極的なグループなので野太い声で
「東京の灯よいつまでも、をお願いします!」
「落葉しぐれ歌いましょう!」
など歌のタイトルが読みあげられました。
音楽療法では全般的に、年配の集団を相手に行うとどうしても女性が中心となり、参加男性は消極的なことが多いのですが、ひまわりサロンに来る男性陣はぐいぐいと前に出てきてくださいます。頼もしい!
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1時間のセッション終了後、ボランティアさんが作ってくれた昼食をご馳走になりました。皆さんと一緒に食べて、とても楽しい時間を過ごすことができました。
歓談している途中で、カーテンがしめられ、部屋の照明が消えました。なにごとかと思ったら、先日地元の放送局で流れたニュース映像が紹介されました。皆さんと馴染みのある内陸避難をした女性のインタビューです。
この女性は明るい笑顔で、でも辛そうな口調で
「私は今でも、ふるさとを去って内陸に避難してきたことで後ろめたさを感じています。この罪悪感はぬぐえません」
と言っていました。
悲痛な叫びです。
災害に遭遇し、生き延びた人の多くは
「サバイバーズ・ギルト」
という罪悪感を心に持ち続けるのだそうです。
多くの人が犠牲になった災害で、私だけが幸せになっていいのか。楽しく暮らしていいのか。笑ってもいいのか。
そういう感情に苛まれるのだそうです。
音楽療法士の役目として私が思っていることのひとつに、こういった感情を持つ皆さんに対して「無条件に」「心の底から」笑ってもらうため、有効に音楽を用いて「楽しい体験を積み重ねていく」時間の提供があります。
そろそろ震災から丸二年。
私の活動はきちんと役割を果たせているのでしょうか。検証の時期に来ているのかもしれません。

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