9月 20

陸前高田市の風景

2011年4月16日から被災地支援を開始して以来、私はいくつか自分だけの決まり事を作って、それを守りながら活動してきました。そのひとつが、震災と津波で破壊された風景を撮影しない、ということです。ねじまがったガードレールや、津波の膂力によって崩れた堤防、あまたの瓦礫は自分の目だけに焼き付けて、写真として残さないようにしてきました。
どうしてこんな決まり事を思いついたのか、言葉では説明できないのですが、被災直後のあの空間に立った人間として、直感として浮かんできたのでした。二年半経過した今も、これは守り続けています。
風景を撮影するなら、復興を果たした街の光景や、変わらない自然の姿だけを写したいと思っています。
一昨日、初めて訪れた陸前高田市の広田半島は、市街地の荒涼とした被災風景とはまた違って、穏やかな海と賑やかな人の暮らしがありました。仮設住宅を訪れるまで少々時間があったので、海辺まで足を伸ばして写真を撮影してきました。
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一羽の鳥が我々のすぐそばで佇んでいたのですが、波打ち際すれすれだったので時々不意に足を波にとられ、体ごと持って行かれている姿がなんだかなごみました。本人はそしらぬ顔だったのがまた可愛かったです。
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今回、広田半島の仕事は単発での依頼でしたが、また訪れる機会は来るのでしょうか。未来のことはまだわかりませんが、いつかプライベートででも訪れてみたいです。
帰り道、「川の駅よこた」という産直で出会った可愛い犬。
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「こんにちわ」
と声をかけたら、ぐいぐいと寄ってきました。

9月 19

陸前高田市「広田水産高校仮設」 2014/9/18

陸前高田市の仮設住宅、初めての訪問となりました。公益財団法人いきいき岩手支援財団の岩手県高齢者総合支援センターによる依頼で、陸前高田市社会福祉協議会とよぼういがく協会の合同開催での音楽療法実施となりました。
‥って、私も書いていて訳がわかりませんが、とにかく初の広田半島!到着までやはり若干迷いましたが無事に開催の運びとなり、張り切ってつとめさせていただきました。
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出会ってから数分、住民の方から
「私たちが作ったふくろうのふくちゃんです」
とマスコットを渡されました。早速どこかにつけてください!と言われたので、ネクタイにからめてみました。
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広田の皆さんはとにかく、元気!
伴奏始まるのを待てず歌い始める。
しゃべってしゃべって、しゃべりまくる。
よく笑って、笑いすぎて涙流す。
「久々に歌で大声出しました」
という感想と
「ここに来てこんなに笑ったの初めて」
という感想をいただきました。良かった!
「宮古や大槌ばっかり行ってないで、こっちにも通ってきてください!」
と言っていただいたので‥いいのかな。通っちゃおうかな。
(アシスタントなすちゃんの顔色をうかがいつつ)
ところで広田半島、到着したらどこか食堂に入って昼食でも‥と思っていましたが、見つけられずに結局お昼ごはん抜きになってしまいました。ごめん、なすちゃん。

6月 13

陸前高田市「あゆっこ」「りんご学童クラブ」 2013/6/12

講習会で初めてお会いした後、FaceBookでやりとりを始めた陸前高田市のSさんからご依頼をいただき、陸前高田市の子育て支援センター「あゆっこ」におじゃますることになりました。以前は保育園の中にあった支援センターですが、津波のため現在は高台にある仮設の建物で活動をしています。
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おしゃれなカフェみたいですね。
生憎の雨でしたが、沢山の親子が遊びに来てくれました。
最初は緊張していた子が多かったのですが、だんだんと調子が出てきて、最後はみんなで風船わっしょい!して遊びました。楽器を鳴らすのが上手な子ばっかりで、感心しました。そしてお母さんたち、ビッとしていて話が早くて、面白かったです。ふひひ。
お昼ごはんは、移動パン屋さんからお母さんたちに釣られてサンドイッチを買いました。んまかった!どこからいらしたのですか?と聞いたらモリオカです、と言われ。なんとまあ。
センターのカシオトーンをいじくりまわしたり、パソコンの調整をなすちゃんがしたりして、なんだかんだで午後まで居座ってしまいましたよ。また機会があったらお邪魔しますね。
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午後は米崎小学校の敷地内にある「りんご学童クラブ」にお邪魔しました。到着したときはまだ子供たちは授業中で、先生三人しかいませんでした。14時半から、最長19時まで放課後の子供たちの面倒をみているのだそうです。やがて三々五々集まってきた一年生、二年生の子たちは、おのおの宿題を広げて自主的に勉強を開始しました。えらいなー。おじさん、小学校の時に宿題まったくやらない伝説の問題児だったから感心しちゃう。
やがて、見知らぬへんなおじさんが踊ったりピアノ弾いたりして
「なんだろう」
と興味を示してきたところを捕まえ、用意してきたプリントに
「好きな感じでシール貼ってごらんよ」
と渡してみました。
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全員、集中して独創的な作品をこさえてました。
その後も、ひらがなパズルやイントロクイズやら合奏やら、2時間まるまる元気に遊んでくれました。
ところでプリント配っている最中、一人の子が
「プリントじゃなくて、工作やってもいい?」
と持ち帰りの工作の宿題を見せてくれました。なんとなくもの言いたげな表情だったので、大人ひとり独占して何かしゃべってもらおうと思い、アシスタントのなすちゃんに担当してもらって、つきっきりで工作を作らせました。結構これが難しい工作だったようで、活動はアシスタント無しで私一人で行うハメになったのですが、終わったあとになすちゃんが車の中でぽつりと
「あの工作の子、お父さん津波で亡くなったんだって。だから途中で離脱するにも出来なくて‥」
と切なそうな表情でため息をついてました。だからあの子、なすちゃんを離さなかったんだねえ。体大きくて、お父さんみたいだもんね。
ほとんどの子は屈託のない笑顔でハイパーアクティブに遊んでくれましたが、時折無表情になったり、尋常じゃない駄々のこねかたをする子がちらほらいて、被災地の子はまだまだ人の手が必要なのだなあと痛感しました。学童クラブの先生によれば、スクールカウンセラーの先生以外はほどんと支援がない状態なのだそうです。
放課後、居場所を求めてやってきた子供と、本気で遊んでくれるボランティアのお兄さんお姉さん(おっさん、おばさんでも可ですよ)がいればいいなあ、と私も思います。