About K.Chida

東日本大震災の被災地となった三陸沿岸で暮らす人々を対象に、音楽療法による支援を行っている岩手県在住の音楽療法士です。2013年2月に一般社団法人東北音楽療法推進プロジェクトを設立しました
2月 17

宮古市「鍬ケ崎小」「西が丘」2018/2/4

午前10:30- 鍬ケ崎小

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このままずっと続いていくかと錯覚していましたが、やはり物事には終わりがきます。他の仮設団地と同様に、宮古市の鍬ケ崎小学校仮設および西が丘仮設は今年度中に解体されるために、この日のサロンが最後となりました。住民の方々にとって、この六年間はどんな風に受け止められているのだろうか‥やはり晴れ晴れとした気持ちなのか。それとも寂しいという感情が強いのか。私はそれを聞くことはありませんでしたが、最後のサロンはせめていつも通り明るく楽しく遂行しようと思いました。

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小学校の校庭に建設された仮設なので、春になると綺麗な桜の花が鑑賞出来て、秋には銀杏がいちょうの木から落ちてきました。四季の豊かな場所でした。最初に訪問した時のことをはっきりと記憶しています。暮れも押し迫った冬の日に、皆さん足元にブランケットを巻きながら畳に直接座って一緒に歌を歌ってくれました。同席してくれた若い男性の支援員さんが、我々の活動をとてもほめてくださって、それでとても元気が出たことも思い出されます。

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いつも通りに歌って、いつも通りに終わろう‥と考えていたものの、やはり最後はきちんとお別れをしなければ‥と、蛍の光を歌いました。私も皆さんも目を真っ赤にはらしながら、声を張り上げて歌いました。どうかこの先も元気で幸せに暮らしてくださいますように。

午後13:30- 西が丘

しょんぼりしながら西が丘に移動して、買った弁当を食べつつ窓の外を眺めて

「この大雪だから、もしかしたら公営住宅から歩いてくる皆さんは来ないかな」

と思っていたのですが、何と!徒歩組の皆さんは乗り合わせてタクシーでご来場!!今日が仮設サロン最終日だから何としても来る!と強い意志を持って集まったのだそうです。頭が下がります‥。

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自家用車組も集まって、いよいよ最後のサロンです。しめっぽいのやあね、ということで西が丘の皆さんは最初からテンション高く歌って踊って!!大宴会です。

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アシスタントなすちゃんも渾身のダンス!手足がなめらかで、東京音頭がまるでフラのよう!懐メロを歌う時も次から次へとリクエストがひっきりなしに続きました。1時間じゃとてもじゃないけど足りません。このまま延長しましょうか、などと笑い声が絶えません。

西が丘の初日もはっきり記憶しています。ひな祭りの時期だったので、談話室の片隅にひな飾りがありました。今はお会いすることもなくなった元住民の皆さんが、誰がどこに座って何をリクエストしてくれたのかもおぼえています。一回いっかい、本当に貴重な出会いばかりでした。

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「じゃあ、今度は公営住宅の集会所でね!!」

「待ってまーす」

と皆さんに言われてお別れしました。そう、仮設のサロンは終了ですが、我々はまだまだこれから先も通い続けて、皆さんと素敵な歌声をこの町に響かせていきたいと思っています。どうぞこれからもよろしくお願いいたします。

2月 08

大槌町「安渡第二」「吉里吉里中」「吉里吉里第二」2018/1/21

午前10:30- 安渡第二

この日の朝、我々は過去最大の難関に挑むことになりました。というのも、先月で安渡第二の仮設住宅を大挙して災害公営住宅へと転居した90代の女性Tさんの住所を聞き忘れ、送迎したくても出来ないのをどう打破しようか‥と悩んでいたのです。こうなったら、安渡の街中をうろうろして、知っている人がいたら聞き出すしかあるまい!ということで早めに宿を出て現地へ到着したのですが。

あっさりと、サロン常連のEさんが自転車を押しているところを発見。良かった‥しかし好事魔多し、Eさんのネイティブな発音および代名詞の迷宮ともいえる説明の難解さに再び迷子になってしまったのでした。結局、見かねたEさんが後戻りをして道案内をしてくださり、無事にTさんちに到着。良かった‥(2回目)。

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数か月ぶりにお会いするMさん、そして先月お休みだったSさんも二か月ぶりに息子さん送迎者でご参加くださいました。話はここ最近の安渡地区、大槌町のトピックを中心に満開の花が咲きました。

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新しく作成した戦前~平成初期までの流行歌や童謡唱歌、民謡などを網羅した曲リストをお渡しして、この中からリクエストを募ろうと思ったのですが、やはり印字の細かさにクレームが。結局、いつも通りEさんを中心に慣れた曲をたくさん歌って、いつも通りのサロンとなりました。

帰り道、今度はスムーズにTさんちへお届けすることができましたが、Tさんちのお隣はちょうどお引越し作業の真っ最中でした。どんな方が越してきたのかな?気になります。

13:00- 吉里吉里中

お昼ご飯を食べて、急いで吉里吉里中仮設へと向かいました。ここは2か月前、数年ぶりに訪問したのですが多くの方に足を運んでいただくことが出来ました。今回はどうかな?と思っていたら、やはりたくさんお集まりいただいて一安心!!

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新規の参加者もいて、嬉しいです!はりきって歌も踊りも頑張りました。

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もうここの仮設団地にお住まいの方は殆どいらっしゃらないので、集まった皆さんは近隣の新居や公営住宅からいらした方です。こうやって何年も暮らした仮設の集会所に集まって、まるで同窓会のようだねえとお話をしていました。バラバラになった元の仲間が、元気な顔を見せあってお互いの幸せを確認する大事な場を任せていただいているのだなあ、と気が引き締まる思いです。

15:00- 吉里吉里第二

さて、S姉さんのいる吉里吉里第二。我々より一足早く集会所で暖房をつけて、レイアウトをしっかりと作ってくださってました。

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ここも、前回と同様に新たなお客さんがいました。一人は常連Cさんのお友達で、こないだ新しくできたばかりの吉里吉里セブンイレブン開店直後に店でバッタリお会いした時に一緒だった方です。とても笑い上戸で、アシスタントなすちゃんの一挙手一投足がツボだったようです。もうお一人は、サロン開始前にS姉さんがうちのタンタンを散歩している時に、たまたま行き会った方が興味を持って足を運んで下さいました。歌がとても好きな方で、ずっと大きな美声で歌ってくださいました。

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終了間際には、お子さん連れの方も様子を見に入ってきて、ほんの数分ですがお話をすることができました。宮古市ではどんどん仮設が解体されてサロンの終わりが近づいてきているのですが、大槌町では逆に新規の方との出会いがあって、何だか不思議なめぐりあわせを感じます。

2月 03

宮古市「愛宕小」「中里」2018/1/20

午前10:30- 愛宕小

いつも元気な愛宕小仮設の皆さん、最後まで残っていたKさんたちもいよいよ転居の場所や引っ越しの日にちも決まって、ここは外部から足を運んでサロンを開催するようになるのかな‥と思ってきたところ、巡回で回ってきた社協さんたちから

「実はここ、今年度末で閉鎖・解体が決まりました」

と言われ‥びっくりしました。ここ愛宕小仮設は最後まで残ると聞いていたので。このままずっとこの場所で皆さんと二か月に一度集まってサロンを続けていける、そんな風に考えていたのですが、残念です。

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「じゃあ、3月のサロンが最後になるんですね」

「そうなります」

思わず目と目があう私とKさん‥これは、打ち上げの宴会の合図ですね!!わかりました!!!

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いつも通り、サロン終了後はKさん特性の中華そばや持ち寄りの寿司、漬物などをふるまっていただいて、皆さんと会食です。ああ美味しい!お店を出せばいいのに、と社協さんも絶賛でした。

午後13:30-

開始30分前に到着したら、既に数名の方がお待ちになっていました。

「これだけがねえ、楽しみなのよ」

とありがたいお言葉‥90を過ぎて、わざわざ大変な坂をのぼってここまでいらしてくださって、嬉しいです。全部で3名の方と懐メロや童謡唱歌を歌い、体操を行いました。

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談話室の片隅には、他のイベントで作成したみずき団子が。

「午前にお邪魔した愛宕小仮設、年度末で最後なんですって。ここ中里はこれからもずっとこうやって残してもらえるといいですね」

と私が言うと

「すぐすぐに解体って話は無いから、大丈夫じゃないかしら」

と皆さん笑って話してました。

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「ではまた3月に」

と窓から皆さん笑顔で手を振って見送ってくださいました。この日から数日が経って、我々のもとにやはりこの中里も近い将来解体の予定だと言われました。何となく、7年目を過ぎてもこのまま我々が通えばずっとサロンは継続して行える‥と呑気に考えていたのです。目の前につきつけられた「仮設終了」の現実に、これからどうにか折り合いをつけて、あらたな形での支援を考えていきたいと思います。

1月 20

大槌町「安渡第二」「小鎚第十七」「小鎚第四」2017/12/17

午前10:30- 安渡第二

最高齢96歳のTさんが六年間一人暮らしを続けた仮設住宅を出て、災害公営住宅へと転居する日が近づいていました。アシスタントなすちゃんがいつも通りお部屋までお迎えにあがると、残念ながら空調設備の工事をするために業者さんを部屋で待っていなければならないので不参加とお返事されたとのこと。年明けは新生活がスタートして、少しは落ち着いている頃でしょうか?

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コアなメンバーで歌を歌いながら、今シーズンの不漁について話題が出ました。鮭もイクラも何もかもがとれなくなってしまって、本当に海辺は大変です。画像に移っている左側の方、真ん中の方はずっと魚の加工場で頑張ってきた方々なのですが、プロによる新巻き鮭の作り方をレクチャーしてもらいましたよ!ぬめりをとるのと、目ん玉に塩を塗り込むのがポイントらしいです。いつか役に立つかしら。

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いつまでたっても、予定表に「えんころ」と書かれる我々‥まあ、気にしてませんけど。

午後13:00- 小鎚第十七

だあすこ(農協産直と食堂)で昼食を済ませて、蕨打直(わらびうちな)という地名にある小鎚第十七仮設へと向かいました。ここもすっかり住民が少なくなり、元気なUさんと集会所の開錠をしてくれるNさんのお二人だけです。

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Uさんは毎回のように、仮設から出た住民の見守りやコミュニティ形成について、我々に色んな意見を求めてきます。私も毎回、一生懸命考えてお答えしているつもりではありますが、どうしても大槌町では我々の活動が浸透しにくいまま六年が経過してしまい、宮古市のように災害公営に移った方に対しての活動を開始できずにいるもどかしさがあります。Uさんには泣き言を言わずにもっと呼び掛けてみろ!と尻を叩かれれているような感じです。

15:00- 小鎚第四

大槌町の山間部は元々「金沢村」という自治体だったのですが、ここでは何と砂金が沢山産出していたそうです。参加者のKさんはここのお生まれで、今でも鉱山跡があるのよーと教えてくれました。

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ずっと海辺の町として大槌町をとらえていたのですが、金沢地区の風習や歴史をうかがうと、本当に山の民なのだなあと驚くことがたくさんありました。色んな山の獣を狩り、その肉や毛皮を使って生活してきたエピソードが大変面白かったです。

1月 19

宮古市「三王自治会研修センター」「鍬ケ崎公民館」2017/12/16

ブログ「歌うどんぐり。」をご覧になっている皆様、遅くなりましたが今年もどうぞよろしくお願いいたします。戌年なので、当法人特別顧問のタンタン共々、頑張りたいと思います!

午前10:30- 田老・三王自治会研修センター

我々が到着した時点で、既に地域の皆さんが会場で待っていらしたので、大急ぎで準備を始めましたが

「他の人まだ来ないから大丈夫よ」

と言われて、のんびりと皆さんと話をしながら荷物をほどきました。すっかり寒くなり、歩いて坂をのぼってくる皆さんは海風の冷たさから体を守ろうと背中を丸めているのが見えました。

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まずは温めましょう!とアシスタントなすちゃんがインストラクターになってダンス!ダンス!

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そして私がハムストリングスと下腿三頭筋を中心としたストレッチ。

2011年以降、避難所や仮設住宅で行っていた「歌と体操のサロン」は時期が移ると課題や問題も変わり、活動内容も目的がコロコロ変わっていたのですが、2017年に入ってからこのように新しく作られたコミュニティの活動場所では永住する皆さんばかりなので、はっきりと活動の目標が決めやすくなりました。転倒予防と運動習慣の定着、自らの健康に対する意識付け‥などです。音楽の部分も、より療法として専門的なことが取り入れやすくなりました。年度の残りで様子を見て、2018年度は各場所ごとに特色を出した活動計画を立てていきたいと思います。

午後13:30- 鍬ケ崎公民館

途中、県立宮古病院前のコンビニでお昼休憩をとっていたら、愛宕小仮設のYさん親子とばったり!これから久慈市に遊びに行くとおっしゃってました、レジャー日和ですものね。

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午後は鍬ケ崎公民館です。いつもの常連さんと、毎回お一人くらいは新規の方がお見えになります。口コミで興味を持っていただいているようですね。ありがたいです!

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わ!びっくり!の画像ですが、なすちゃん別に泣き叫んでいるわけではありません。声帯(声を出す喉の筋肉)を上手に使って色んな声色を出してみましょう、というワークの真っ最中でした。歌を歌う前に、息を上手に声に変換する方法や、裏声などを出すワークをすると、気持ち良いくらいに響く声が出せるようになるので、おすすめです。

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これは呼吸法について図を交えて解説した時のものですね。あばら骨と横隔膜を使って‥と説明しています。